なんだこれ?!サークル
ってなに?(説明)
自由な表現と思考のための
連続ワークショップ
なんだこれ?!サークルは、自由な表現と思考のための連続ワークショップです。「なんだこれ?!」をキーワードに、参加者一人ひとりが他の誰とも異なる自分だけの表現を模索し、思考し、具現化することを目指します。
2014年、編集者/元美術家の岩淵拓郎と、子どもの体験型芸術体験ワークショップを展開するタチョナが、小学生中高学年向けプログラムとして開発。以降、ユークな世界観とプログラムとしての革新性が注目を浴び、国内外のアート・教育・福祉・地域など、さまざまな領域と世代を対象に展開されててきました。
ワークショップの流れ
①答えのない問いを楽しもう
なんだこれ?!にも、また世界にも、明確な答えはありません。
自ら答えのない問いを立て探求しすること、それを楽しむことができること。
そのための創造力と思考力を身につけることを目指します。
②表現をめぐる豊かさを手に入れよう
何かを表現することも、その表現を味わうことも、人の根源的な欲求です。
なんだこれ?!サークルでは美術教育で切り分けられがちな表現と鑑賞と地続きに実践。
表現をめぐる普遍的な豊かさを実感することを目指します。
③「誰ともちがう」を大切にしよう
自分だけの表現は、もちろん、他の誰ともちがいます。
一人ひとりの固有の表現を通して、誰ともちがう自分や他者を受け入れ、分かり合う。
そんな関係が自然に育まれる自由な表現の場を目指します。
これからなんだこれ?!
を始める(かもしれない)きみへ
なんだこれ?!サークルでは、初めてなんだこれ?!に取り組む人のために、ハンドブックを用意しています。これは2014年の最初のなんだこれ?!サークルのために制作されたもので、2022年に発売された『なんだこれ?!のつくりかた』と図版が入っていない以外はほぼ同じ内容です。以下にPDF版を公開していますので、興味のある方はどうぞお読みください。
自由な表現のための<場>としてのなんだこれ?!サークル
小島 剛(一般社団法人タチョナ代表)
なんだこれ?!サークルは、タチョナがさまざまなアーティストと共同で実施した、子ども対象のアートワークショッププログラムの一つとして生まれました。
一般的にアーティストが考案するワークショップでは、表現の枠組みをアーティスト自身が規定します。つまり彼らの専門領域の中で、彼らの生み出した方法論を用いて、ワークショップはデザインされます。そこではアーティスト固有の表現が魅力となり、子どもたちの感性を刺激し表現の可能性を引き出すことができます。しかしその反面、一人ひとりの興味や関心を生かした表現が生まれるとは限らず、またその表現は規定された枠組みから出ることもありません。
このような認識から、子どもたち自身の興味や関心をもとに、ゼロから創造的なアイデアを生み出し、表現するワークショップとはどんなものかを考えました。それはおそらく、表現の領域や方法論に囚われず、子どもたち自身がやることを考え実現していく、いわば<場>のようなものではないか。そして、その<場>において必要になるのは、「企画をたて、素材を収集し、整理し、構成する」という編集というプロセスなのではないか。そのような理由で編集者であり、アーティストとしての経験もある岩淵君に相談しました。
なんだこれ?!サークルは、まさにタチョナがつくろうとした<場>に対する、岩淵君からの回答です。<場>には、それぞれ共有される考え方や態度、すなわち世界観があります。このプログラムでは、アーティストの作品に限らずさまざまな表現を参照してますが、それはなんだこれ?!の世界観を共有するためにすぎません。なんだこれ?!という世界観の上で、子どもたちは自らの思考と向き合い、自分だけの表現を模索していきます。そしてその結果として生まれたなんだこれ?!は、私たちに笑いや驚き、違和感などの感情を抱かせ、ついには「なんだこれ?!」と言わせるのです。
2014年以降、なんだこれ?!サークルは国内外の、アート、地域社会、福祉、子育て、教育など、さまざまな領域において展開されてきました。それは、このプログラムによって育まれる創造性が、特定の表現領域や方法論を超えて、われわれが直面するさまざまな困難に立ち向かうための力となりうることの証明だとも言えるでしょう。
このワークショップが、まだ見ぬ多くの子どもたち、そして彼らに創造的な未来を切り開いてほしいと願う人たちに届くことを、心より願っています。